中小の会社にとって危機の1番手として挙げられるのは資金繰りが苦しい、つまり現金(キャッシュ)がないために支払いが滞るときではないでしょうか。そのときできる手段をかんがえてみましょう。まず思いつくことはお金を貸してくれるところを動き回るところです。まずは銀行、次は信用組合、さらに国民生活金融公庫です。
そこが貸してくれなかったら商工ローンや消費者金融に手を出すことになるでしょう。ですがお金を貸してもらうために動き回るまえにやることがあります。そもそも会社から現金が不足するのは「返済」のためか、「利益が出ない」ためかこの2つだけです。返済はしかたないとして利益がでないで赤字になってしまうことは、「売上アップ」か「コスト削減」のどちらかです(これは、ポーターの「差別化戦略」か「コストリーダーシップ戦略」かの2つの原理で良く知られています。
)中小企業の場合、冒険ができない以上コスト削減しか手はないと言えます。このコスト削減は、変動費(原材料費・仕入原価・販売手数料・派遣・契約社員の人件費など)と固定費(賃借料・光熱費・リース料・広告宣伝費・人件費など)のうち割合の高い方を選び、金額の高いものから削減します。製造業・卸売業・小売業は「変動費」、サービス業は「固定費」が多くなりがちです(ただし派遣や社員の人件費は削らないことは大原則です)。これでも資金繰りが苦しいようでしたら次は、役員報酬の減額です。
期の途中ですと損金扱いにならず課税の対象になってしまうので決算期を変更したりして決算が赤字でないように注意して実施します。それでも資金繰りが改善しないならば最後は売掛金と買掛金をなんとか操作することです。つまり支払いを遅らせる(買掛金の返済期日の変更)や売掛金(支払ってくれる日が遅い契約)の変更です。ファクタリング会社に頼んで売掛金の買い取りをおこなってもらい現金を入手するという方法です。